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預金ではもう増えない。老後資金は「貯める」から「増やす」時代へ。

2018年02月21日水曜日

老後への備えとして定期預金を、という方もいるかもしれない。たしかに定期預金は元本も保証されており、株やFXのように損をするリスクもほぼ皆無と言って良い。しかし歴史的な「超」低金利時代である今、定期預金は老後対策に相応しいといえるのだろうか?

「預ければ増える」時代は終わった。

現在の高齢者世代が働き盛りだった1980年代後半〜1990年頃、定期預金の金利は平均約3〜6%もの高い数値で推移していた。普通預金ですら平均金利は2%を超え、「利子で食べていける」などといわれた時代だ。
しかしその後バブルが崩壊、GDP成長率と共に預金金利も低下。2000年代に入るとゼロ金利政策に伴い、定期預金の利率は0%台に。さらに2016年には、日銀が史上初となるマイナス金利を導入。歴史的ともいわれる程の超低金利時代が続いている。

現在の定期預金金利は、なんと過去最高の150分の1。

現在の預金金利がどれ程低いものかは、過去最高値と比べてみると、より明確に分かる。なお預金金利は銀行や預入期間、金額によって異なるため、ここでは「1年以上2年未満・300万円未満」の平均金利で比較する。
定期預金の平均金利が最も高かったのは1991年で、利率5.7%。これに対して2016年9月現在の平均は、わずか0.038%。約25年間で、なんと150分の1にまで下落していることになる。

預金を2倍に増やすには何年かかる?

それではこの金利で定期預金を続けたとして、倍に増えるまでに何年かかるのだろうか。仮にそれぞれ100万円を預けたとして、複利方式で200万円に増えるまでの年数を試算してみた。なお税金は加味せず、利息は小数点以下切り捨てとしている。
まず過去最高金利の5.7%の場合は初年度だけで5万7,000円もの金利が付き、14年後には2倍の200万円になる計算。一方で、現在の金利で預けた場合を見てみよう。
初年度は100万円×0.038%で380円の金利、次年度も100万380円×0.038%で380円。さらに次年度は100万760円×0.038%…と続けていくと、1828年後、ようやく200万円に到達する計算だ。

預金はあくまで「貯める」ための手段。

定期預金で100万円を200万円に増やすのに要する年数は、1828年。生きている間に金利の旨みを実感することは、ほぼ不可能といえる。定期預金がお金を「増やす」手段として有効だったのは、もはや過去のこと。現在では、あくまで今あるものを貯めておく方法に過ぎない。老後対策のために資金を増やすことを考えるならば、投資などを検討するのも一つの手だ。

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